
数珠つなぎアワー
たぶん1年以内ギリギリくらい前の出来事です。
その日は告別式だったので、礼服に黒ネクタイという出で立ちで葬儀に参列していました。
この礼服も黒ネクタイも、社会人になったらいつ必要となるか分からないんで、事前に購入しといたんですよ。
あと、数珠もダイソーで105円の木製の物を、こちらもいざという時のために用意してありました。
んで、葬儀が始まりそれぞれが席に着きます。
俺は喪主とその一家の次に上座といった位置に、父・母と並んで座っていました。
位置的にはほぼ最前列です。
葬儀は順調に進行して、中には涙を流している親族も当然います。
が、俺はそこまで親しい間柄の方のお葬儀というワケではなかったんで、若干退屈と感じておりました。
俺
(超理解不能!!
あたしにはさっぱり 感情移入できないから!
眠っちゃいそう
お涙ゼロ
あきっぽい性格ってご遺族に怒られそう!)
で、手に持っている数珠を音がたたない程度にイジるワケです。
少しイジっていると、数珠の珠と珠との間のすき間が妙に広いなァとだんだん気になってきました。
普通な珠と珠の間ってほぼ密着していますよね?
そんな感じにイジッていたら突然、
プツン
俺
(!
き…切れた
ぼくの手の中でなにかが切れた…
糸的ななにかが……)
数珠の糸が切れちゃいました。
いや、あれはほどけたのかな?
いずれにせよ、数珠の珠はバラバラと地面に落ちていきました。
葬儀の真っ最中に。
ほぼ最前列で。
俺
「恐るべしダイソー…」
ボソ…
と、小声で呟いたら、隣にいた母のツボに入ってしまったらしく、肩をプルプル震わせて笑いだしました。
母
(だ…駄目だ まだ笑うな…
こらえるんだ…
し…しかし…)
笑わせた本人である俺も、それを見てもらい笑いしました。
葬儀の場なんで、お互い声を漏らす事も出来ません。
耐えねばなりません。
俺
(母は社会人だ……
今 気丈にふるまわなくてはというわけか………
わざと冷酷さを装っている
今いちばんに笑い叫びたいのはオレより彼女の方だ
オレの一言もツボに入ってしまったし笑いの沸点もオレ以上に低いんだからな………
オレにも感情をおさえろってことか……
ここは葬儀…
――――おさえるとも!)
そんなこんなで笑いをこらえ、チワワの如く肩をプルプル震わせながら葬儀の進行を見守っていきました。
しばらく進行していくと、今度は遺族・参列者全員が起立してお経を読むという流れになりました。
当然、俺も母も立ち上がらねばなりません。
散らばっている数珠を踏まぬように立ち上がり、他と同じようにお経を読みはじめましたが、
俺&母
「南無プスッ…
阿…弥ププ
陀ァ…ックックッ仏…」
という酷い有様でした。
まあ、数珠が散ってしまったことが見えなかった人が震える背面のみを見たのなら、悲しみの嗚咽で震えてお経が読めなくなってしまったように見えなくもないかもしれませんが。
んで、一通り式が終わり、移動やら解散やらの時間になった瞬間、即座に数珠を拾い集めました。
それとやっと会話OKになったんで、母と大笑いを。
まだ人の目はあるんですが、もう我慢できないって感じです。
ここは葬儀……
どこかに喪主と坊主が潜んでいる
しかしふたりは感情をおさえきれなかった…
ダチコーは叫んだ
ダイソーの名を!
母は浮かべた
満面の笑みを!
けれどもダイソーの名をよんでも返ってくるのは残酷な静寂だけ……………
親戚が死んだのだ…
ダチコーと母は静寂によってこの事実を実感した………
その日は告別式だったので、礼服に黒ネクタイという出で立ちで葬儀に参列していました。
この礼服も黒ネクタイも、社会人になったらいつ必要となるか分からないんで、事前に購入しといたんですよ。
あと、数珠もダイソーで105円の木製の物を、こちらもいざという時のために用意してありました。
んで、葬儀が始まりそれぞれが席に着きます。
俺は喪主とその一家の次に上座といった位置に、父・母と並んで座っていました。
位置的にはほぼ最前列です。
葬儀は順調に進行して、中には涙を流している親族も当然います。
が、俺はそこまで親しい間柄の方のお葬儀というワケではなかったんで、若干退屈と感じておりました。
俺
(超理解不能!!
あたしにはさっぱり 感情移入できないから!
眠っちゃいそう
お涙ゼロ
あきっぽい性格ってご遺族に怒られそう!)
で、手に持っている数珠を音がたたない程度にイジるワケです。
少しイジっていると、数珠の珠と珠との間のすき間が妙に広いなァとだんだん気になってきました。
普通な珠と珠の間ってほぼ密着していますよね?
そんな感じにイジッていたら突然、
プツン
俺
(!
き…切れた
ぼくの手の中でなにかが切れた…
糸的ななにかが……)
数珠の糸が切れちゃいました。
いや、あれはほどけたのかな?
いずれにせよ、数珠の珠はバラバラと地面に落ちていきました。
葬儀の真っ最中に。
ほぼ最前列で。
俺
「恐るべしダイソー…」
ボソ…
と、小声で呟いたら、隣にいた母のツボに入ってしまったらしく、肩をプルプル震わせて笑いだしました。
母
(だ…駄目だ まだ笑うな…
こらえるんだ…
し…しかし…)
笑わせた本人である俺も、それを見てもらい笑いしました。
葬儀の場なんで、お互い声を漏らす事も出来ません。
耐えねばなりません。
俺
(母は社会人だ……
今 気丈にふるまわなくてはというわけか………
わざと冷酷さを装っている
今いちばんに笑い叫びたいのはオレより彼女の方だ
オレの一言もツボに入ってしまったし笑いの沸点もオレ以上に低いんだからな………
オレにも感情をおさえろってことか……
ここは葬儀…
――――おさえるとも!)
そんなこんなで笑いをこらえ、チワワの如く肩をプルプル震わせながら葬儀の進行を見守っていきました。
しばらく進行していくと、今度は遺族・参列者全員が起立してお経を読むという流れになりました。
当然、俺も母も立ち上がらねばなりません。
散らばっている数珠を踏まぬように立ち上がり、他と同じようにお経を読みはじめましたが、
俺&母
「南無プスッ…
阿…弥ププ
陀ァ…ックックッ仏…」
という酷い有様でした。
まあ、数珠が散ってしまったことが見えなかった人が震える背面のみを見たのなら、悲しみの嗚咽で震えてお経が読めなくなってしまったように見えなくもないかもしれませんが。
んで、一通り式が終わり、移動やら解散やらの時間になった瞬間、即座に数珠を拾い集めました。
それとやっと会話OKになったんで、母と大笑いを。
まだ人の目はあるんですが、もう我慢できないって感じです。
ここは葬儀……
どこかに喪主と坊主が潜んでいる
しかしふたりは感情をおさえきれなかった…
ダチコーは叫んだ
ダイソーの名を!
母は浮かべた
満面の笑みを!
けれどもダイソーの名をよんでも返ってくるのは残酷な静寂だけ……………
親戚が死んだのだ…
ダチコーと母は静寂によってこの事実を実感した………
スポンサーサイト
テーマ : ジョジョの奇妙な冒険
ジャンル : アニメ・コミック